株式会社髙橋勇設計事務所/髙橋家具商会
代表取締役/一級建築士/家具店オーナー 髙橋 勇 インタビュー
2020.10.26 Interviewer 川崎 浩平
埼玉県狭山市で無垢の木材をつかった住宅設計や家具のデザインを得意とする株式会社髙橋勇設計事務所の代表取締役 髙橋勇様にインタビューいたしました。
――まずは御社について教えていただいてよろしいでしょうか?
(髙橋)当社は建築設計事務所をやっておりまして、特に木造住宅の設計をメインに事業を行っております。
――御社の事業の強みやこだわりを教えてください。
(髙橋)当社では一般的な間取り図から考える設計ではなく、お客様の「潜在的な欲求」も理解した上で設計できるように取り組んでおります。
――潜在的な欲求?って例えばなんですか?
(髙橋)例えば、「吹き抜けが欲しい」というご要望をお客様からいただいた際には、「なぜ吹き抜けが欲しのか」という事もしっかりとお話をお伺いします。その結果、要望に一番適しているのは「吹き抜け」そのものではなく「2階に設けた第2のリビングコーナー」が欲しいのでは?という提案がっとても喜ばれたという事がありました。
このように、当社ではお客様の潜在的な要望も的確に理解できるように、もう一歩踏み込んでお客様の為にできることを考えています。
――なるほど!表層的なお客様の注文に答えるだけではなく、お客様の本当に実現したい事を聞いてそれを形にしていくという事ですね!
(髙橋)はい。そうです!その結果としてでは無いですが、四季を通して住んでみて「頼んでよかった」と言っていただけるお客様が多いのが自慢です!お客様の望んだ以上のものを提供できるように常に”One More Thing”を意識して仕事に取り組んでいます。
お客様に「自分の家が好き」と言ってもらえるにはどうすれば良いかを常に考えています
――他社ではやっていない取り組みって他にもありますか?
(髙橋)あと当社では建物工事の中で、施主自ら自宅の一部を施工する「セルフビルド」をご提案しています。
――「セルフビルド」ってどんな感じなんですか?
(髙橋)通常、施主が工事現場に入る事はあまり推奨されていないのですが、私としては自分の住む家の工事に自分自身が関わっていく事は自然な事だと考えています。
例えば「壁を塗ってみたり」「棚を作って設置してみたり」と、どんな小さな事でも実際の家づくりに関わる事によって得られる「愛着や思い」も育んでいただければいいなと思っております。
なので、当社ではセルフビルドをお客様に積極的にご提案しております。
――めちゃめちゃいいですね!設計事務所って携わる仕事は全てそこの作品としても扱うようなイメージなので、普通はプロでもない施主に工事とか関わらせないですよね。
(髙橋)私は「建築家」のような作家性をあまり意識した事はないです。
設計士として、お客様が自分の家に愛着を持って「自分の家が好き」と言ってもらえるにはどうすれば良いかを思い悩んだ結果、「家は施主さんの作品であり、私たちは黒子(くろこ)に徹して専門家としての知識や経験を提供する」という考えに至りました。
(髙橋)あと、工事中の現場を見た際に「ここを、もうちょっとこうしたい・・・」と感じた場合でも工事が進んでいる中、なかなか口には出来ないお客様も多いです。
でも、私は「そうしたいのだったら、やりましょう!」というのが基本スタンスですので工事中でも気軽にご相談いただいて、納得いくまでお客様にお付き合いしています。
――普段はどのように集客をしているのですか?
(髙橋)お客様からの紹介が多いです。
ありがたい事に、「話しやすい設計士で、不安に思っている事も全部確認しながら、進められるよ」と言って紹介いただけております。
(髙橋)一般的に設計事務所って気軽に相談しにくいイメージなので、そのイメージを払拭する為に当社は設立当初から「敷居の低い設計事務所」にしようと思ってやってまいりました。今はその理想に近づけているのかなと感じています。
「敷居の低い、相談しやすい設計事務所」を目指します。
――起業したのはいつですか?
(髙橋)2005年に開業しまして、2015年に法人化しました。
――髙橋さんの経歴なんかも聞きたいです!
(髙橋)もともと中学の時までは漫画家を目指していました。絵を描くのが好きで絵画コンクールの賞を総なめにしていました(笑)
それから建築職人の親からの勧めで工業高校に進学したのですが、漫画家になる夢もあって家業を継ぐという選択肢は無く、卒業後は設計事務所に就職しました。
当時はあまり深く考えて就職した訳ではなかったのですが、そこの所長がものすごく熱心に建築の仕事や魅力を教えてくれた事でどんどん建築の世界にのめり込んでいきました。
それから23歳で二級建築士の資格を取得して、さらに30歳の時に一級建築士の資格を取得して所長に独立したいと告げました。
そこから2年は所長のかばん持ちをやりながら設計事務所の運営について学ばせていただき32歳の時に独立しました。
――法人化するキッカケはあったのですか?
(髙橋)青年会議所で知り合って仲良くさせてもらっているコムソルの佐仲さんという方から「一緒に法人化しない?安くできるから」と誘われたのがキッカケです(笑)
もともと「法人でないと契約できない」という取引先もあったので、いずれは法人化しようとは思っていましたけどね。
――木造をメインにしたキッカケは何ですか?
(髙橋)設計事務所に勤めていた時は木造に限らず色々な設計に携わらせていただいていたのですが、自分で独立してやるのであれば木造住宅や身近な建物を設計していきたいとずっと思っていました。それは子供の頃から職人の父親と一緒に木造住宅の現場にたくさん行っていた影響が大きいです。
――お客様自身が工事する「セルフビルド」を始めようと思ったキッカケは何ですか?
(髙橋)20代の頃3週間休暇をとってアメリカ旅行に行きました。シェーカースタイルの家具をどうしても見たくて、知人を頼りケンタッキー州まで行ったのですが、知人の紹介で宿泊させてもらった家は父親の手作りの家だったのです。保安官の仕事をしながら家作りを家族全員で楽しんでいる。日本には無い、私の知らない家作りを見た時に「自分に合っているな」と感じたことがキッカケです。
――将来のビジョンをお願いします。
(髙橋)東京に事務所をつくります。
都内に事務所がある事によって受注できる仕事もあるでしょうし、マンションのフルリノベーションなどの設計もやっていきたいです。あとは人や建物など周りにある環境が変わればデザインにも良い影響がでると思っています。
設計業務自体は狭山の事務所で今まで通り行っていく予定ですが、私は東京で人と会う事をメインに活動していきたいので、設計士をあと2名増員していきたいと思っています。
――最後に一言お願いします。
(髙橋)今の家に満足していない方、建て替えやリノベーションを考えている方で「オリジナルのデザインで家を建てたい」というご要望がありましたら、「話しやすくて、不安に思っている事も全部確認しながら、楽しい家作りを提案してくれる設計士である私に是非ご相談ください。
会社名 株式会社髙橋勇設計事務所
HP https://www.archi-takahashi.com/
名前 髙橋勇(タカハシイサム)
役職 代表取締役
生年月日 1973年9月26日
出身 埼玉県入間市
出身校 川越工業高校
趣味 漫画(読む・描く)・木工・ゴルフ
最近つくってみたもの 一坪キッチン(2021年2月リリース予定)
20年前と変わった事 話しかけづらいオーラが無くなった
おすすめスポット 入間市のジョンソンタウン(米軍ハウス)
人生に影響があった言葉 「不期明日。今日やるべき事を全力でやる。明日に頼る気持ちを捨てる事ではじめて自分の仕事がみがかれる」