株式会社 SKY PHILOSOPHY
会長・講師・ブランディングの専門家 松下 一功 インタビュー
2020.11.27 Interviewer 川崎 浩平 / assistant interviewer 藤田 紘子
ブランディング戦略に特化した経営コンサルティング会社
株式会社SKY PHILOSOPHY(スカイ フィロソフィー)会長 松下 一功様にインタビューさせていただきました。
――まずは、そもそも「ブランディング」とは何ですか?なんとなくは分かるのですが・・・
(松下)そうですね。そもそも、ブランディングを明確に理解している人や説明出来る人は少ないと思います。
ブランディングとは“カッコよく見せる”とか“売れる様にする”といった事では無く、「ファンになってもらう活動」の事を言います。
(松下)例えば野球でも“いつも勝っているから”という理由だけではファンにはならないですよね?当然、強くないチームでもファンはいます。では、なぜファンになるかと言うとそのチームの“在り方”や“頑張り方”“思い”が好きだからファンになるんですね。
なので、ブランディングとは必ずしも売上向上などの成果を目指す事とイコールではないんですよ。
――ありがとうございます!ブランディングってそういう事なんですね!
――次に御社へブランディングをお願いした時のおおまかな流れも教えていただいてよろしいでしょうか?
(松下)はい。まずはヒアリングをさせていただきます。今まで“どういった経歴”で“どういう失敗や苦労”をして“どういう思い”で“どういった人にサービスを届けたいのか”さらに“そもそもなんでこの事業がやりたいのか”“どんな社会にしたいのか”を徹底的にお聞きします。開発している商品の性能や会社の輝かしい経歴よりも、むしろ歴史や苦労話、失敗談の方にその会社の魅力が出ている場合が多いです。
そして、その魅力を社長だけではなく、経営陣・スタッフ・代理店・ユーザーが語れる様にするために、分かりやすいメッセージに絞り込んで、さらにシンボライズ(象徴化)していくという流れになります。
(松下)要はヒアリングした膨大な情報から、独自の切り口でその会社の本当の魅力を浮き彫りにして、さらに伝えやすくする事が当社の業務であり、強みであり、ご依頼いただける理由になります。
――ちなみに「シンボライズ」って例えばどんな感じですか?
(松下)例えば、女性社長が有名なホテルチェーンは客室に折り鶴が置いてあるんですね。それはスタッフのホスピタリティのシンボル(象徴)になります。
単純に“客室の掃除を丁寧にやっています”とか、“常にお客様に気遣いをして動いています”とか言ってもなかなか響かないですよね。伝える上で重要なのは象徴だったりしますのでそこを戦略的に作っていく必要があります。
――なるほど~!
ブランディングで「ファン消費」という形を構築できれば、その事業レベルに合った口コミや紹介が必ず発生します。
――松下さんのようなブランディング戦略を提案する同業他社ってあるんですか?
(松下)本当の意味でのブランディングが出来る会社は日本では少ないです。欧米ではブランディング専門の会社がたくさんありまして力を持っているのですが、日本では広告会社さんが優秀で広告戦略と一緒にブランディング戦略も立てているので、ブランディングを専門とする会社はあまり育っていないというのが現状ですね。
――確かに広告会社さんが企業のブランディング戦略を練っているイメージがありますね。
(松下)それが間違っているという事では無いのですが、私は広告会社さんが得意な商品を売るための“マーケティング戦略”ではなく、ファンを作るための“ブランディング戦略”を専門に行っています。
さらに言うと、ブランディングを通して商品を売る事だけではなく“何のために売るのか”“何のために会社をやっているのか”を考える事で“私たちは何なのか”という自社のアイデンティティに気付いていただくことが多いです。大手企業はシッカリとそこを構築している事が多いのですが、中小企業では日頃の活動が手一杯で自社のアイデンティティをしっかり考える時間を持ってなかったりします。
自社の本当の価値に気付く事により数字で追う戦略だけではなく、自分たちが本当にやりたい事を基に戦略を立てていける様になりますので、より根本的な事業戦略を作る事も可能になります。
――そういう意味でもブランディングは重要なんですね。
(松下)そうですね。理念やビジョン、ミッション、アクションといったところが明確になりますので、事業計画から行動に至るまでの一連の活動方針を明確に出来ます。
あと最近は会社の組織運営の為に理念をしっかりさせたいというオーダーも多いです。なぜかというと、今はお金という価値観だけではなく、使命感や承認欲求など働く意味を感じないと人は動かなくなってきているからです。給与だけではなく“ビジョン”と“使命”をしっかりと共有する事によって組織が固まります。
(松下)さらにこれからの時代は会社に勤めていながら副職でいろいろなプロジェクトに参画したりするような方が増えてきます。そんな方々を私は「NEOフリーランス」と定義しているのですが、そのような時代には個人として自分が何者であるかを明確にさせておかなければならないので、会社だけではなく個人にもブランディングが重要となってくると思っています。
――ブランディングをする事で様々な効果が出るんですね。実際のお客様のエピソードとかもお聞ききしたいです。
(松下)とある全国展開されている弁護士法人様からリスティング広告の効果が以前と比べて落ちているというご相談をいただきました。その相談に対して、まず私は何の為にその事業をやっているのかを徹底的に掘下げて、商品説明に終始していたホームページを一新しました。
“社史”や“弁護士一人ひとりの思い” “携わる方々の信念“や“依頼者の気持ち”などの「思い」や「心」を打ち出すページに作り変える事によって成約率を上げる事に成功し、結果として多くのアクセスがなくても十分に収益がでるようになりました。
(松下)あとは、とある業界で有名なカリスマ女性社長が率いる110名ほどの会社なんですが、スタッフが100名に近くなってきたあたりからスタッフ一人ひとりのパフォーマンスが下がってしまったんですね。いろいろな研修をしたりやり方を変えてみたりしてもなかなか効果は出ずに悩んでいました。
そこで私はスタッフ自身が商品や日々の仕事に対して自信や確信をもって活動してもらう為にブランディングを行いました。カリスマ経営者である彼女がなぜ人を惹きつけるのか、なぜ事業が伸びているのかという事にフォーカスしてブランドストーリーを作り、それから彼女の言葉をブラッシュアップして社是とクレド(信条)をつくりました。
それを社内で共有して、一人ひとりがやっている事のすばらしさや、他人事ではなく自分がやるべき事を気付いていただく事で、その後の研修効果や営業成績を飛躍的に高める事が出来ました。
要は「あり方」を変えてから「やり方」を変えていかないと効果ってなかなかでないんですよね。
――今、御社の集客はどのような形でやっているのでしょうか?
(松下)本来は集客をしなくてもいい状態を作り出すのがブランディングなので、当社では口コミと紹介でお客様からご依頼いただいております。
――ブランディングってすごいですね!
(松下)ブランディングを大切にした経営と言うのは、サービスの提供を受けている方や働いている方がその会社のファンであるという事が前提なんですね。
そういった「ファン消費」の特徴は2つありまして、まず単価に左右されない事が多いです。例えばファンは何千万もする車だったり何百万もする鞄だったりを購入します。もう一つはリピート率が上がります。これはある携帯電話がバージョンアップする度に毎回並んで購入したりする事などがそうです。そしてそのリピートしている方から紹介が生まれてきます。
「ファン消費」という形を構築できれば、その事業レベルに合った口コミや紹介が必ず発生してくるんですよ。
「経営や仕事をもっと高めたい」「商品が売れない」「人が採用出来ない」「社員が増えて思いが伝わらない」「現場の士気が上がらない」とお悩みの方は、ブランディングをお勧めします。
――起業したのはいつですか?
(松下)私が26歳の時で、1989年にデザインオフィスとして起業しました。
――最初からブランディング戦略に特化した会社ではなかったんですね。
(松下)はい。2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災により仕事が激減しまして、経営が苦しかった時期がありました。その時に自分の事業を見直して反省したことがブランディングに特化したキッカケです。
反省点は2つありまして、まず一つ目は自分のパフォーマンスを最大限発揮できる「戦略作り」をメインに活動していなかったので、自分が社会に必要とされる仕事をしていなかったという点。もう一つは自分が26歳の時からデザイナーとして多くの企業ブランディングを担当していたにも関わらず、自身のブランド戦略を立てていなかった点です。
それらの反省を踏まえて、今まで自分が関わってきた大手企業や誰でも知っている商品のバックグラウンドにあるブランド戦略を全て整理・体系化して、中小企業の経営者様にプログラム提供する経営コンサルティング会社として2013年に今の事業をスタートしました。
――会社のビジョンを教えてください。
(松下)世界中に正しいブランディングが伝われば、単なる利益主義ではない経済社会の実現に貢献できると考えていますので、今は一社でも多くの会社に正しいブランディングの手法を理解、実践できるようになっていただきたいと思っています。その為にコンサルティングはもちろんですが、研修、セミナー、記事の執筆、YouTubeなどの“発信”に主体をシフトさせております。
――最後に一言お願いします。
(松下)ブランディングは“経営”も“人生”も変える力がある手法です。「経営や仕事をもっと高めたい」「商品が売れない」「人が採用出来ない」「社員が増えて思いが伝わらない」「現場の士気が上がらない」とお悩みの方は、ブランディングをお勧めします。
まずは気軽にお問合せいただいてブランディングとはどういったものなのかを是非知っていただきたいです。
直接ご連絡いただいても、セミナーにお越しいただいても、まずは記事やYouTubeを見ていただくだけでも構いませんので、どうぞよろしくお願い致します。
会社名 株式会社SKY PHILOSOPHY(スカイフィロソフィー)
コーポレートサイト
松下一功ブランドデザイン研究所
YouTube公式
https://www.youtube.com/channel/UCCmlF7IoKEMMS6bnpbhSA8A
名前 松下 一功(マツシタ イッコウ)
役職 会長・講師・ブランディングの専門家
生年月日 1962.7.20
出身 北海道札幌市
公認講師 SMBCコンサルティング(経営相談員も兼務)
U-CAN
趣味 エレキギター
最近始めた事 ビンテージギター収集が再燃
これから始めたい事 防音室が有る所に住み、ギターを思いきり弾く
10年前と変わった事 やるべき事が出来ている事
お勧めしたい事 良質な映画を見る事(ブランディングにも通じます)