1988年創業の人気ベトナム料理店。池袋駅東口に本店である「サイゴンレストラン」と西口に「サイゴン池袋西口店」を構え、さらにベトナム食材の輸入販売事業も手掛ける株式会社ビナコーポレーションの代表取締役トラン アン チュン様にインタビューさせていただきました。
――まずは、サイゴンってどんなお店になるんですか?
(トラン)はい。主にベトナム“南部”の料理を“本場の味”で提供している店になります。
――ベトナム南部の料理というと?北部とは結構違うんですか?
(トラン)北部と南部ではかなり味が違ってきます。ベトナム料理は「ニョクマム」という魚醤(ぎょしょう)をベースにした料理が多いのですが、塩味の強い北部に比べて南部は“甘味”もあるので日本人の口にも合う料理が多いですよ。
――甘味が有る料理なんですね!東南アジアの料理って「辛い」とか「すっぱい」料理を勝手にイメージしちゃってたんですが、そういった料理ばかりではないんですね。
(トラン)そうですね。東南アジアのエスニック料理は香草などをたくさん使った刺激の強い料理が多いと思いますが、南ベトナムの料理はマイルドなのでエスニック料理が苦手な方でも大丈夫という人は多いです。
なので、わざわざ日本人向けの味付けにすることなく“本場の味”で勝負が出来ていると思っています。
――お店のオススメ料理ってありますか?
(トラン)ベトナム料理というと「フォー」や「生春巻き」をイメージされる方も多いですが、当店では「揚げ春巻き」や「ビーフン」などの現地の家庭や屋台で出されるような大衆的な料理もオススメしています。
特にその中でも皮をあみあみにした「アミアミ揚げ春巻き」がお客様からご好評です。サクサクジューシーでさらにヘルシーな料理なので当店の人気メニューの一つになります。
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サイゴンはミシュランガイドにも2年連続で掲載された“ベトナム本場の味”を“気軽”に楽しめるお店です。
――他のベトナム料理店と比べてサイゴンの“強み”って何ですか?
(トラン)池袋のベトナム料理店としては一番の老舗になりまして、創業当時からのレシピをベースに少しずつ改良を重ねているので味の良さと安定性には自信があります。有難い事に食べに来たお客様から「おいしかったよ」と言っていただける事も多くありますし、グルメサイトでも高い評価をいただいていています。
ちなみにですが、ミシュランガイド2016・2017年に2年連続で掲載されたことも有ります。
――ミシュラン!もう絶対美味しいじゃないですか!今日は絶対食べて帰ります。
(トラン)ありがとうございます(笑)
あと、味だけではなく日本の方が気軽に本場の味を楽しんでいただける数少ない店だと思っております。
――と、いいますと?
(トラン)同じベトナム料理店でも日本人が経営する「日本人向けの店」とベトナム人が経営する「在日ベトナム人向けの店」があります。
それぞれ良い点・悪い点はあると思いますが、サイゴンは両方の良さを併せ持っているので日本人にも在日ベトナム人にも「両方に来ていただけるお店」だと自負しております。
(トラン)というのも、当店のシェフやスタッフは全てベトナム人で「本場の味や雰囲気」を提供している店になるのですが、その上で経営者の私は日本生まれ日本育ちのハーフになりますので「質の高い日本の接客」もスタッフにしっかりと教育をしております。
なので、当店は日本の方が気軽に本場の味を楽しんでいただけるお店であり、ベトナムの方にとっては故郷の味と雰囲気を楽しめるようなお店になっております。
――日本人のお客様はどのような方が多いのですか?
(トラン)ベトナム料理はヘルシーなこともあり女性のお客様が多いですね。あと、ベトナム旅行に行く前に現地の食事が口に合うのかを試しに来るお客様も良くいらっしゃいます。
今後は、お酒にもよくあう料理なので3、40代の男性の方にもたくさん来てもらえるようにアピールしていきたいですね。
――集客はどのようにされているのですか?
(トラン)有難いことにリピーターの方が多くて、なかには週5で来ていただける方もいます。
そして、その常連の方々が新規のお客様を連れて来ていただけるといった形が多いです。
“ベトナム料理を食べた事が無い人”や“ヘルシーな飲み会をしたい人”には最適なお店になります。是非一度足を運んでみて下さい!
――トランさんの今までの経歴も教えてください。
(トラン)まず、私はベトナム人である父と日本人である母の間に生まれたハーフになるのですが、生まれも育ちも日本になります。なので、子供の頃から普通に日本人として過ごしてきました。
大学は早稲田に入学しまして卒業後は普通に大手企業に就職出来ると思っていたのですが、当時社会を少し舐めていた所もあり、ことごとく落ちてしまいまして・・・最終的に起業支援を行うベンチャー企業に入社しました。
入社後は飲食部門に配属になったのですが、何故かいきなりラーメン屋の店長をやる事になります。
――新卒でいきなりラーメン屋の店長ですか!?
(トラン)私も入社前にイメージしていた仕事ではなかったですね(笑)
ですが、やってみると意外と楽しく充実した仕事をすることが出来ました。ですが、1年程でその会社が倒産してしまい別の会社が事業を引き継ぐという事になりまして、私はそのタイミングで仕事を辞めてベトナムに留学します。
――なんでベトナムに留学しようと思ったんですか?
(トラン)実は子供の頃はあまりベトナムの事が好きではなかったので、ずっとベトナム語はしゃべれなかったんです。
ですが、大学時代の就活では面接の時には決まって「ベトナム語はしゃべれますか?」と聞かれて、その質問に上手く回答が出来なかったという悔しい思い出が頭の片隅にずっと残っていまして・・・「いつかベトナム語をマスターして就職活動をやり直したい」という想いがありベトナム留学をしようと決めました。
(トラン)それから、当時ベトナムで水産加工業を経営していた父の仕事を手伝いながらベトナム留学を2年間した後、オーストラリアにも留学して飲食店でアルバイトしながら現地の大学院でMBAを取得しました。
その後、またベトナムに戻って父の仕事を1年間手伝ってから2015年に東京に戻り、母からサイゴンレストランの経営を引き継ぎ今に至ります。
――お母様が元々サイゴンレストランを経営していたんですか?
(トラン)元々サイゴンレストランは父がやっていた様々な事業の一つとして1988年に始まりました。
1996年に父の会社は倒産してしまったのですが、サイゴンレストランとベトナムでの水産加工業の事業は継続する事が出来きまして父はほぼベトナムで生活する事になり、そこから長い間サイゴンレストランは母が切り盛りしていました。
――大企業への就職をずっと目指して紆余曲折あった経験は、なんだかんだ全てサンゴンの経営に活かす事が出来そうですね!ラーメン屋とか留学とかMBAとか・・・
(トラン)そうですね。遠回りはしましたが経験させてもらった事が全て今の経営に役立っていますし、ハーフだからこそ出来る今の仕事に就けた事を幸せに思っています。
――ハーフだからこそ出来るといいますと?
(トラン)「ベトナムの食を通してベトナムの文化を日本に伝える」という当社の経営理念が有るのですが、私が日本の文化とベトナムの文化に精通しているハーフであるからこそ、その理念をより追求していけるのではないかと思っています。
――今後のビジョンは?
(トラン)日本ではメジャーな食として「和・洋・中」があると思いますが、そこに「ベト」を加えていきたいと考えています!
先ずはその前にベトナム料理より日本ではメジャーな「タイ料理」に勝ちたいです(笑)
でも実はベトナム料理って世界では結構メジャーな料理なんですよ。留学していたオーストラリアでもかなりメジャーな料理でしたし・・なので日本でも必ずメジャーに出来ると確信しています!
(トラン)あとは在日ベトナム人に安心して日本に住んでもらえるようなサービスも今後はじめて行けたらと思っています・・・ですが、まだこれから考えていくという段階ですので何かいいサービスがある方がいましたらお話聞きたいです!
――最後に一言お願いします。
(トラン)「ベトナム料理を食べた事が無い人」は日本人の口にあう本場の美味しい料理をぜひ一度当店に食べに来てみてください!お食事と共にベトナム人スタッフとの交流も楽しんでいただけると嬉しいです。
あとヘルシーでお酒にも合うベトナム料理は、「最近肉料理が続いたので、たまにはヘルシーな飲み会もしたい」と思っている男性の方にも最適です!何卒よろしくお願いいたします。
社名 株式会社ビナコーポレーション
店名 サイゴンレストラン(池袋東口本店)
サイゴン池袋西口店
URL https://saigon.tokyo
名前 TRAN ANH TRUNG(トラン アン チュン)
1984.5.22生まれ
役職 代表取締役
出身 東京都杉並区
母校 早稲田実業学校 早稲田大学
趣味 サッカー・ゴルフ
最近 海釣り&ゴルフを始めました
今後 良いお父さんになりたい
オススメ ネプモイ(ベトナムのもち米焼酎)
色々な飲み方で楽しめるので、
何年もハマってます