都内飲食店への水産物の卸売事業をメインに、東京都北区滝野川で海鮮居酒屋「MARUKATSU(マルカツ)」も運営する株式会社勝海(かつみ)。本日は代表取締役の 高木勝 様に「水産卸」の事業についてお話をうかがいました。
――水産卸って具体的にはどういった仕事をしているんですか?
(高木)簡単に言うと契約している飲食店に市場で仕入れた水産物をお届けする仕事です。
――なるほど。一日のお仕事の流れとかも聞いて良いですか?
(高木)まず、前日の夜までに契約しているお店からFAXやSNSで注文が入りますので、その注文を受けて翌朝4時頃から豊洲市場へ行き、競場(せりば)や仲買人(なかがいにん)から仕入れをします。あと、横須賀と大分の漁師からも直接仕入れする事もあるのでその荷受けも豊洲でします。
それから仕入れたモノをウチの加工場に持っていってお店ごとに仕分けをして、注文によってはそこで捌(さば)いて下処理もしています。
で、基本的にはその日の内に配達をしていくという流れですが、当日追加で注文も有るので何度か市場を往復する事もあります。
――競場って一番高い値段を付けた人がせり落とせるってやつですよね。仲買人ってなんですか?
(高木)仲買人は市場内にある店でせり落とした魚を小分けにして売っている仲卸業者の事です。ケースで仕入れる場合は競場で、一本(一匹)だけとかの細かい仕入をする場合には仲買人から仕入をするといった具合です。
――SNSで注文を受けたりもしているんですね。
(高木)そうですね。お店の方が注文しやすいやり方に極力合わせています。でも、自分はパソコンとかそういうのは今まで全然やってこなかったので勉強中です(笑)
「美味しい魚をみんなに食べてもらいたい」という想いで仕事をしているんで、専門店とかだけじゃなく、一般的な居酒屋とかにも極上の魚を安く卸していきたいです。
――水産卸をやっている業者って多いんですか?
(高木)大手企業から個人の方まで数えきれない数の業者がいますね。
――そんな競合他社と比較して御社の強みって何になりますか?
(高木)ウチの強みは豊洲でその日に一番極上の魚を安く仕入れられる事です。
例えば“アジ”とかは安いものは500円、極上のものは3,000円というセリ値になるのですが、ウチではその極上のアジをセリ値の3,000円で店に卸すことが出来ます。
――仕入れ値で提供しちゃったら御社の利益が無いんじゃないですか?
(高木)要は、セリ値よりも低い金額でウチは仕入れられるという事になります。
――なんでそんな事ができるんですか?
(高木)実は、海外へ大量に極上の魚を送っている仲買人からもウチは仕入をしているんですが、海外に鮮魚を送るとなると輸送時間も考えて、さらにその魚を選(よ)らないといけないんですね。その送らなかった魚をウチで安く仕入れられる独自のルートというか人間関係があるので安く仕入れが出来るんです。
――せっかくいい魚を安く仕入れられるなら、安く卸さずに相場の価格で卸したら御社の利益も上がるんじゃないですか?
(高木)自分は「美味しい魚をみんなに食べてもらいたい」という想いで仕事をしているんで、高級店とか専門店だけじゃなく一般的な居酒屋とかにも美味しい魚を安く卸していくという方針でやっています。
――その極上の魚の“味”は一般的な魚とは全然違いますか?
(高木)絶対的な自信があります。一度食べてもらえば違いが分かると思います。
――例えば新しく取引を始めたいと考えている飲食店さんとかがいた場合に、「まずはお試し」みたいな事も出来るんですか?
(高木)はい。“お試しBOX”を10,000円+税で販売していますので魚のメニューを増やしたいと考えているお店の方には是非試していただきたいですね。
ちなみに同じ価格で一般家庭にも“鮮魚BOX”を販売しています。
――普通の人でも買えるんですね!ちなみにですが、そのBOXには通常価格でおいくら分くらいのモノが入っているんですか?
(高木)中身はその日の仕入れによって違ってくるんですが、例えば直近でBOXにしたものだと・・・
・特大アワビ 5,000円
・のどぐろ1本 3,500円
・活け毛蟹 5,000円
・特上カツオ(下処理済み)1,500円
・剥きホタテ 2,500円
なので、通常だと合計17,500円位の卸値のモノになります。
――卸値ってことは、一般家庭の人がスーパーとかで普通に買おうとするとさらに高くなる感じですよね。めちゃくちゃお得ですね!
(高木)はい。「本当に新鮮な魚」を食べた事が無いという方もいらっしゃると思うので、魚が苦手な人とか子供とかにも鮮魚BOXで一度新鮮な魚を知ってもらいたいです。
あとウチの居酒屋「MARUKATSU(マルカツ)」で魚を味わってもらう事も出来きるので是非一度足を運んでもらえればと思います。
「魚を新メニューに取り入れたい」「今仕入れている魚をワンランク上げたい」と考えている飲食店の方は“お試しBOX”もやっているので是非一度にウチの“極上の魚”を試してみて下さい。
――会社はいつからやっているんですか?
(高木)会社は2011年からです。海鮮居酒屋は2018年から始めました。
――独立する前はやはり同業の所で働いていたんですか?
(高木)そうですね。水産卸で5年やった後に仲買にも5年勤めて、それから独立しました。
――水産業界に入ろうと思ったのはなんでですか?
(高木)たまたまテレビで築地市場の仕事特集を見た時にその仕事に一目惚れしたのがキッカケで水産卸会社に就職しました(笑)
――なんで独立したんですか?
(高木)会社の利益を追求するだけではなくて、たくさんの方にリーズナブルな価格で新鮮な魚を食べてもらいたいという自分の想いを実現する為です。
――今後のビジョンは?
(高木)お寿司屋さんのような魚専門の飲食店から、やきとり屋さんとか魚をサイドメニューで出している店まで幅広く取引先を増やしていきたいです。
あとは、一般向けにもWEBサイトを使って販売をしていきたいと考えていますので、そこらへん詳しい人がいたら教えてもらいたいです(笑)
――最後に一言お願いします。
(高木)「魚を新メニューに取り入れたい」
「今仕入れている魚をワンランク上げたい」
と考えている飲食店の方は“お試しBOX”もやっているので是非一度ウチの“極上の魚”を試してみて下さい。
(高木)あと、飲食関係じゃない方も良く行く居酒屋とかで「魚のメニューを考えている」というお話をもし耳にした時には“勝海”を是非オススメしてもらえたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。