――お店を始めるまでの経緯も聞いて良いですか？

（ポピー）私は父が大使館勤務という事もあり、生まれはインドですがモロッコ、ネパール、スイス、クウェート、スペインといろいろな国で暮らしてきました。そして1980年に日本へ来て大学に入学し、その後 夫と出会い結婚しました。
　結婚してからは日本で通訳や英語を教える仕事をしていたのですが、両親はまた別の国に行ってしまった事もあり、インドのカルチャーやアイデンティティを持つ人との関わりが少なくなってしまいホームシックになってしまった時期がありました。
　その時に「私自身が日本に居ながらインドをもっと身近に感じたい」という想いと「インドの文化をもっと日本にも知ってもらいたい」という想いが重なり九段下駅の靖国神社の向い、インド大使館隣にお店を出したという経緯です。
　今ではスタッフやお客様にも恵まれて日本に居ながらインドを感じる事ができているので私自身とても幸せです。

――料理はもともと得意だったんですか？

（ポピー）もともと趣味で友人を呼んでホームパーティーをする機会が多かったのですが、その時に色々な友人から「ポピーさんは料理が上手だからお店を出した方が良いよ！」と言ってもらえた事もお店を始めるキッカケの一つになります。

――そこからお店を何店舗も出していったんですね！成功の秘訣は何ですか？

（ポピー）「人との付き合いを大切にする事」です。
　お客様や友人、スタッフから様々な応援がなければ、色々なお店を出す事は出来なかったと思っています。

（ポピー）あと私は「目の前のチャンスをハートで感じて経営していきたい」と思っています。
　例えば、初めてフードコートでの出店チャンスがあった際には「フードコートでカレーは流行らない」と一般的には言われている中、家庭でも味わえるような日本のカレーライスではなく「本場のインドカレーを出せばフードコートでも絶対成功する」という直感を信じて思い切って出店したところ現在の店舗展開につながっていますので、後になって「やっておけばよかった・・・」と後悔しない様にいつも心掛けて経営を行っております。

店舗一覧→https://mumbaijapan.com/branches/

――逆に大変だった事とかはありますか？

（ポピー）店舗を借りる事に苦労しましたね。実際の所は分かりませんが、設立当初は「 “外国人”である事や“女性”だから断られたのではないか？」と思う事も多々ありました。

――日々仕事をする上で心掛けている事はなんですか？

（ポピー）私も含めスタッフ全員が「自分の家に迎えいれている」という気持ちで接客をする事を心掛けています。
　常に笑顔で丁寧に接する事はもちろんとして、お客様からの様々な要望には出来る限りお答えして、100％の満足が提供できるように日々努力しています。

――今後の展開はどのようにお考えですか？

（ポピー）「インドビル」を作ってレストランはもちろん、料理・エステ・ヨガなどを取り入れたアーユルヴェーダ（インドの伝統医療・健康法）や料理やヒンディ語の教室、旅行代理店など様々なインドの文化を体験できる場所「ワンストップインディア」を作りたいと考えています。

――最後に一言お願いします。

（ポピー）銀座店でのディナーをラムの専門店「銀座ラムハウス」として今年（2022年）の春までにはコンセプトチェンジしてオープンさせます。是非一度足を運んでみて下さい。
　他の店舗でもインドの伝統的な料理を軸にクリエイティブでオリジナリティー溢れる料理も開発し続けていますので、カレーだけではなく様々な美味しいインド料理を是非味わいに来ていただけると嬉しいです。