Professional No.76

認知症などで支援が必要な方へ「成年後見制度」

認知症などで
支援が必要な方へ
「成年後見制度」

本宮行政書士事務所
特定行政書士
本宮 雅之 インタビュー
2022.4.17
Interviewer 川崎 浩平(→記事
Nominated by 関根 孝
→記事

2015年、千葉県松戸市にて本宮行政書士事務所を開業。後見制度利用相談、相続手続代行、遺言作成サポート、パスポート申請代行、各種法人設立や許認可申請など様々な行政手続きやサポートを行っている。本日は所長の本宮雅之さんに最近の取り組みについてお話をうかがいました。

――本宮さんは行政書士として様々な書類作成や申請手続きをやっているとは思いますが、そのなかでも特に力を入れている仕事ってありますか?

(本宮)成年後見に関する業務に力を入れて取り組んでいます。

――「成年後見に関する業務」ってなんですか?

(本宮)認知症や知的障害、精神障害などで判断する能力が十分ではない方を支援する成年後見制度というものがありまして、家庭裁判所の後見開始の審判を経て援助者の選任を受け、その対象となる方の法律行為を代理する業務の事になります。

――な・・なるほどですね。

(本宮)成年後見制度は世間の認知度も低いのでちょっと分かりづらいですよね(笑)
 実際の仕事内容でザックリお話しすると、ご高齢で認知症になってしまったけれどもご家族がいなかったり、もしくは遠方にお住まいだったりで支援が出来ない場合に「契約・申請・手続き・支払い・財産の管理」などを代理する仕事になります。

――介護サービスとは違うんですね!

(本宮)そうですね。介護や障害福祉サービス利用の前提となる契約や支払いに関する業務になります。

――裁判所も絡むんですね。

(本宮)そうですね。選任を受けた後も家庭裁判所へは原則年1回 会計や事務の報告をする事になっています。
 当事務所では、よりご依頼者やご本人に安心していただく為「一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター」に所属しているので、そこにも3ヶ月に1度の報告を行っています。

――具体的な仕事の事例もお聞きしていいですか?

(本宮)具体的な事例としましては・・・
 グループホームに入居している認知症の母とその娘さんがおりまして、その施設の費用は母の年金だけでは足らず、娘さんが不足分を補っていました。ですが、ある日娘さんがお亡くなりになってしまったんですね。
 それで半年後にはグループホームへの支払いができず居場所を失うということで、地域コミュニティを通じて私のところにご相談をいただきました。急いで後見の手続を行い、同時に年金で賄える施設探しに奔走しました。幸い、新しい入居先も見つかり、その後も後見人として支払いや各種手続きなどの業務を行っております。

 当事務所では生活やお金等で困っている方からのご相談が多いので、一般的な後見人業務以外の事を各所と連携しながらお手伝いする場合も多々あります。

「高齢住民の不安や悩みの相談先がなくて困っている」という千葉県松戸市周辺の“町内会”の方がいらっしゃいましたら是非お声掛けください。

――どういった経緯でお仕事の依頼がある事が多いんですか?

(本宮)いろいろなケースでご依頼いただきますが、今は町内会などの自治会や神社の奉賛会などからのご紹介が多いです。

――対応しているエリアはどんな感じですか?

(本宮)事務所のある千葉県松戸市を中心に隣接する市区町村が対応エリアになります。

 (対応エリア)

 千葉県:松戸市・流山市・柏市

 鎌ヶ谷市・市川市

 東京都:葛飾区・江戸川区

 埼玉県:三郷市

 エリアを絞らせていただいているのは、届いた書類をただ事務処理するだけではなく、ケアマネージャー等とも必要に応じて連携をしながら、最低でも月に1回、願わくば週に1回は直接面談をさせていただいて、ご相談を受けたり状況を確認したりしたいと考えているからです。

――御所と競合するような成年後見に関する業務を行っているところってたくさんあるんですか?

(本宮)私のような行政書士だけでなく弁護士、司法書士、社会福祉士の方などもやってはいるのですが、数は不足しているのが現状です。
 なので、当事務所ではNPO法人などが主催する市民後見人(一般の市民による後見人)への講習などにも積極的に取り組んでいます。

――ちなみにですが、御所への報酬って誰が支払うんですか?

(本宮)基本的にはご本人の財産からお支払いいただく形になります。

――でも、依頼者は貯金も無く収入も少ない場合が多いんですよね?

(本宮)頼れる親族が無く財産も少ない方の場合、大きく2つの段階に分かれます。たいがい福祉関係者などから相談が寄せられる場合は緊急性の高いケースが多いので、先ずはご本人が安全に生活できる支援体制構築を急ぎます。この段階では正直、ご本人の財産から弊所への報酬支払いは期待できませんが、短期的なものなので・・・
 次に支援体制が構築できて後見人に就任した後の段階では、ご本人に財産がなくても公的支援制度が利用出来る場合があります。

――大変そうですが、まずは気軽に相談しても大丈夫なんでしょうか?

(本宮)まぁ、何とかやっています(笑)
 こういう制度や支援がある事を知らない方に「まずは知ってもらいたい」と考えているので、電話相談に関しては気軽にお問い合わせしてもらえればと思っています。
 ただ、私は弁護士ではないので、後々の相続で争いになりそうなケースは基本的にお手伝いが出来ません。予めご了承していただければと思います。

「高齢の親族がいるが、遠方に住んでいるので心配」という方は、対応エリアなどは気にせず、お気軽にご相談ください。電話・ZOOM・メール相談を無料で行っています。

――いつから行政書士事務所を始めたんですか?

(本宮)2015年に行政書士事務所を開業しました。

――事務所を始めるまでの経緯もおうかがいしてよろしいですか?

(本宮)どこから話せばいいのやら・・・(笑)

――是非最初からお願いします!

(本宮)はい。
 私はもともと自動車のエンジニアとして働いていました。その仕事は楽しかったのですが、やっていくうちに「喜んでもらえるお客様との距離が遠いな・・・」と感じるようになりました。
 それから27歳の時に千葉県松戸市で酒屋を営んでいた父が持病で体を壊してしまった事がキッカケで、実家の酒屋を継ぐつもりで仕事を辞めたのですが、父親が無事回復した事で私の居場所が無くなってしまい・・・有機農業の研修生、季節バイト、蚊帳売りといろいろ迷走しました。
 そんな中、学生の頃から好きだったスキーインストラクターのバイト募集を見つけて働きだしまして、32歳で新潟県の妙高高原に定着し、冬はスキー学校の臨時職員 夏は山小屋の管理人として13年間働きました。
 45歳の時に1人暮らしだった父が突然死してしまい、実家を更地にはしたくないという想いで松戸に戻ったのですが、仕事のあても無く・・・おにぎり工場で夜勤をしながら何とか生活をしていました。
 そして、48歳で行政書士の試験に合格して実家で開業したという経緯になります。

――なんで行政書士を目指したんですか?

(本宮)40代後半で残りの人生を考えた時に、もっと人と接して役に立っていると実感できる仕事がしたいと思いました。そんなとき、たまたま試験に合格できたのが行政書士だった、というのが本当のところです。
 でも今では、実際に喜んでもらったり安心してもらったりを実感できるので、この仕事に出会えて良かったと心から思います。

――本宮さんが仕事をする上で大切にしている事は何ですか?

(本宮)この仕事で接する方々は何かしら「不安」や「心配」をお持ちの方が多いので、それらを少しでも減らせるお手伝いができるように心掛けています。
 あと、いつか自分が認知症になったときや、何か災害が起きたときも安心できる地域のコミュニティが今の仕事を通じて少しでも形成していければ・・・という想いもありますので、成年後見制度の認知度を上げていけるように貢献をしていきたいです。

――今後の展開としてはどうお考えですか?

(本宮)現状では業務として各種許認可申請の代行もやっておりますが、ゆくゆくは後見業務一本にしていきたいと考えています。その為にも近隣で信頼できる士業の仲間を増やして連携していきたいです。

――最後に一言お願いします。

(本宮)「高齢の親族がいるが、遠方に住んでいるので心配」という方。

 対応エリア等は気にせず、気軽にご相談ください。電話・ZOOM・メール相談は無料で行っています。
 あと「高齢住民の不安や悩みの相談先がなくて困っている」という松戸市周辺の“町内会”の方は是非当事務所へお声掛けください。

 何かが特別凄いという訳ではないですが、「安心して頼める行政書士」であるという自負はありますので何卒よろしくお願い致します。

屋号 本宮行政書士事務所
   http://www.office-motomiya.com/
所属 一般社団法人
   コスモス成年後見サポートセンター
              https://www.cosmos-sc.or.jp/
名前 本宮 雅之
   1967.3.8生まれ
出身 千葉県松戸市
母校 筑波大学大学院
資格 特定行政書士
経験 7年
趣味 登山・スキー
最近 地元の町会長になりました
オススメ ストレス低減法(瞑想)

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