Professional No.86

シェアオフィスのパイオニア

シェアオフィスの
パイオニア

有限会社ワークプレースミューコム
SO!事業責任者
北村 幸太郎 インタビュー
2022.11.28
Interviewer 川崎 浩平(→記事
Nominated by 山田 佑
→記事

 1999年設立。新宿と大森でシェアオフィス&貸会議室「SO!」(ソゥ)を運営。さらに、その施設を利用し様々な社会的課題にも取り組んでいる有限会社ワークプレースミューコム。
 近年需要が高まっているシェアオフィスの先駆け的企業である同社の今までの歩み、今後の展開についてSO!事業責任者 北村幸太郎様にお話しをうかがいました。

――まずは御社のシェアオフィス事業について簡単に教えていただいてもよろしいでしょうか?

(北村)当社は、新宿の「SO!SHINJUKU」と大森の「SO!Oomori」の2か所でシェアオフィスの運営を行っておりまして、新宿は固定席が22席+ミーティングスペース、大森は固定席が14席とフリー席4席+ミーティングスペースとなっています。

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SO!SHINJUKU
SO!Oomori

――御社は日本におけるシェアオフィス事業の先駆者だと聞いていますが、いつ頃から始めたんですか?

(北村)2004年1月からです。赤坂で個室4人+フリー7席のシェアオフィスから始めました。
 当時は「シェアオフィス」という言葉がまだ世の中に認知されていない時期でしたので、物件を借りるにも入居会員を募るのにも苦労しましたね。

――その頃はシェアオフィスってまだ一般的ではなかったんですね。

(北村)「レンタルオフィス」と呼ばれる小さな個室に間仕切られた場所を貸すだけの個人事業者用オフィスは以前から存在していたのですが、オシャレでオープンスタイルのシェアオフィスという形態は私の知る限り当時はまだ無かったです。

――なんでシェアオフィス事業を始めようと思ったんですか?

(北村)もともと当社は1999年にオフィス家具の販売や内装工事、レイアウトなど、オフィスプロデュース事業を行う会社として設立しました。
 設立した当初、他の内装業の方と一緒にオフィスを借りていたのですが、その内装会社が移転する事になりまして、こちらも移転しようと物件を探したのですが手頃な小規模オフィスがなかなか見つからなかったんです。
 その経験からオフィスに空席がある事業者と仕事スペースを間借りしたい個人事業者をマッチングするビジネスを開始しました。
 その後、そのマッチング事業に興味を持ってくれた方から「オフィスを自社で借りて貸し出す事業はやらないのですか?」と言われた事がキッカケとなりまして、その事業の構想を練り始めたのですが「やるからには新しい事をやりたい!」という私の想いから、海外のオフィス事情なども調べ、会員同士の自然なコミュニケーションが生まれるオシャレでオープンスタイルの「シェアオフィス」という形態に辿り着き、赤坂で1号店をオープンしたという経緯です。

――その後はどんな感じで展開していったんですか?

(北村)まずは、テレビや新聞にも取り上げてもらったりしながら「シェアオフィス」という名称を世に広める活動から始めました。最初は募集しても問い合わせが少ない状態が続きましたが、入居していただいた会員のデザイナーやメディア関連の方などにもいろいろと助けていただきながら会員を増やしていく事が出来ました。
 その後は、大森、溜池、西新橋、汐留、水道橋、四谷とオープン&統廃合をしていきまして、現在は大森と新宿にて運営をしております。

新宿、大森周辺でオフィスを探している方は、ぜひ一度「SO!」を見学しに来ていただければ嬉しいです。

――そういえば最近よく聞くコワーキングスペースってシェアオフィスとは違うんですか?

(北村)コワーキングスペースはオープンスペースの空いている席を自由に使う「フリーアドレス」が主体となっている形態です。
 当社のシェアオフィスはオープンスペースとは別に固定席もありますので自分のオフィスとして腰を据えて落ち着いて仕事がしたいという方に向いています。

――今ではシェアオフィスやコワーキングスペースをやっている会社も多いと思いますが、その他社と比較して御社の「SO!」の強みは何ですか?

(北村)自分のオフィスとして自由に使ってもらえる事です。最低限のルールは設けていますが基本的には会員の皆様の自主運営的な形でやっております。
 なので、「SO!」では秘書や受付のサービスは行っておりません。宅配便が着た時もその時に居る会員が代わりに受け取ったりもしますし、戸締りも最後に退出する人がします。イメージとしては昔の長屋感覚をオフィスに取り入れている感じですね。
 この長屋的な共生型のオフィス形態を取り入れた事で運営も上手く行き、会費も安く抑えられ、結果として長期で入居していただける方が増えたと思っています。

――厳密なルールが無くても運営は大丈夫なんですか?

(北村)20年近くやっていますが大きな問題が起きたことは無いですね。
 でも、「25人以上のグループは厳密にルールを設定しないと管理は難しい」という有名経営者の言葉を聞いた事があるので、当社では1つのシェアオフィスを大きくしすぎないように運営をするようにしております。
 あと、入居希望の方にはミスマッチが起こらないように丁寧に説明をするように心掛けています。

新宿で30人の収容ができる会議室を有効利用できる企画を考えています。一緒にビジネスを展開してくれる人やアイデアを募集中です。

――入居会員はどういった方が多いんですか?

(北村)性別、年齢、業種、様々です。ただ、「SO!」は10年、15年と長年借りていただいている方も多いので他のシェアオフィスと比べれば年齢層が少し高いかもしれませんね。
 4、50代の方が多い「大人のシェアオフィス」となっています。

――どういったニーズで契約される方が多いのですか?

(北村)会社から独立して自宅で仕事を始めたけどダラダラしてしまうので、自分を律する為に仕事場が欲しかったという個人事業主。
 掃除とか備品発注とかの事務負担がなく4~5人で使える安いオフィスが欲しかった会社。
 個室で一人だと集中はできるけどアイデアが浮かんでこないので適度に人の目がある環境を求めていたクリエイター。
 取引先と対面の打ち合わせが多い方や10~30人規模のセミナーを開催している会社。
 など様々なニーズにお応えしています。
 あと、会員の方から「たまに広い作業空間が必要なので、空いている会議室を作業場として使えるのは助かります」と言っていただいた事もありますね。

――入居会員同士の交流は盛んなんですか?

(北村)それは人それぞれですね。とにかく集中して仕事をしている方もいますし、仲良くなって飲みに行ったりする方もいれば、入居会員同士でビジネスを始めたりしている人もいます。

――今後の展開としてはどのようにお考えですか?

(北村)アフターコロナやインボイス制度など社会状況が日々変化していく中で、小規模事業者やフリーランスをしている方にとって使い勝手が良く、有意義な場所を今後も提供していく為に、気軽に参加できる座談会や相談会なども企画していければと思っています。
 さらに、SO!SHINJUKUの30人収容できる会議室を有効利用できる企画を考えているのですが、なかなか良い企画が生まれてこないので、一緒にビジネスを展開してくれる人やアイデアを募集しています!

――最後に一言お願いします。

(北村)「ローコスト」

「オシャレで広いオフィス」

「法人登記可能」

「来客やセミナーにも対応できる」

「契約翌日から仕事が開始できる」

という様々なメリットがシェアオフィスにはあります。
 新宿、大森周辺でオフィスを探している方は、ぜひ一度「SO!」を見学しに来ていただければ嬉しいです。

社名 有限会社ワークプレースミューコム
URL https://sharing.ne.jp/
名前 北村 幸太郎
   1949.6生まれ
役職 SO!事業責任者
出身 滋賀県米原市
母校 大阪市立大学
趣味 読書(社会学・経済学)
   YouTube視聴
オススメ 藤原直哉のインターネット放送局
今後 シングルマザーの困窮や
   シニア世代の孤立などの
   社会問題に取り組んでいきたい

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